マムシグサ

画像

 ようやく白旗山の稚樹調査は今日で終了。今日の調査区では稚樹の発生頻度が小さく、稚樹のマーキングはあっという間に終わってしまった。草本種の同定が非情に苦手な私は、コドラート調査はできないのでMさんにお願いしてやってもらっている。今日の調査区は稚樹は少ないが、草本の出現種は今までで最も多く、Mさんはけっこう難儀したようである。

 その間私たちは、ほとんど植物観察会の状態で、周辺を歩き回っては花の写真を撮っていた。

 今日の花は「マムシグサ」。

 仏炎苞が細く緑色で白い縦縞があるものを「コウライテンナンショウ」、仏炎苞が焦げ茶色のものを「マムシグサ」とし、両者を総称して広義のマムシグサとしている図鑑と、マムシグサのなかに「コウライテンナンショウ型」と「オオマムシグサ型」があるとしている図鑑と両方出版されている。前者は北海道で出版され、後者は全国版で出版されている。前者では別種扱いで「Arisaema peninsulae」と「Arisaema serratum」となっている。後者では「Arisaema serratum」のみである。ちなみに前者は「新版北海道の花(北海道大学図書刊行会)」など、後者は「フィールド版日本の野生植物(平凡社)」・「牧野新日本植物図鑑(北隆館)」などである。この件を調べるだけで、ずいぶん時間を費やしてしまった。どちらが正解なんだろう?

 マムシグサの由来は茎(偽茎)の模様がまむしの模様に似ていることから名付けられた。漢字では「蝮蛇草」。一方テンナンショウは漢字で「天南星」と書く。由来については調べがついていない。ネットで探してもマムシグサのことばかりで、星の話には行き着けない。
 
 学名の属名「Arisaema」は、北海道医療大学薬学部付属薬用植物園・北方系生態観察園のホームページ((http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~yakusou/index.htm)によれば、「Arum, 植物名の一種(aris))+(heima, 血)葉にある斑点にちなんでつけられた」とある。また種小名「serratum」は「鋸歯のある」という意味である(牧野新日本植物図鑑)。

 植物は多くの場合雌雄同株といって、一つの個体に雄花と雌花をつけたり、雄しべ雌しべが一つの花にある両性花と呼ばれる花を持つ。雄花しか持たない個体、雌花しか持たないという種類の場合には、雌雄異株という。ヤナギ類などは雌雄異株の代表である。マムシグサも雌雄異株なのだが、ほかとは大きく違った性質を持っている。それは「性転換」するということである。根を掘ってみると芋のような固まりがついているが、これを球茎と呼ぶ。この大きさによって性転換するのだという。球茎が小さいうちは、花をつけず葉だけの状態で、ある一定以上の大きさになったときに雄花をつける。さらに球茎が大きくなると突然雌花をつける。さらになにがしかの原因で茎などが折れ、球茎が小さくなってしまったときには再び雄花をつけるのだそうだ(木下栄一郎,1997,植物の「雄・雌」性転換,週刊朝日百科植物の世界,111,10-94~10-96)。雄と雌の間を行ったり来たりすることができる珍しい植物である。

 マムシグサというのはけっこうマニアックに楽しめる植物らしくに、関係したホームページも多いようだ。閑なときに一度マムシグサネットサーフィンでもしてみよう。

□今日の花リスト□
・マムシグサ
・オオアマドコロ
・オオバタネツケバナ
・オオタチツボスミレ
・クルマバツクバネソウ
・ツクバネソウ
・レンプクソウ
・ミヤマナルコユリ
・ウシハコベ
・ホウチャクソウ
(順不同)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック